スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
重すぎるんだよ君らの愛は。@雪組 『睡れる月』 考察。

ずいぶん前なのですが、福岡千秋楽版の映像をお裾分けして戴いたので
今更のよーに見返してみたらば観劇当時の疑問点が復活してしまいました…。


そんな訳で超々今更の 『ねむつき』 語りです。 結論はカシコムです(爆)




式部卿宮にとって中納言は子どものような存在。 護るべき対象であり、所有物。
中納言にとっての式部卿宮は、お兄ちゃん。 本当は対等な立場から助けになりたい。

お互いに対する想いがそんな風にすれ違っているからこそ、辿り着いたあの結末。


この 『睡れる月』 というお話を、私はそういうものと理解して納得しておりました。


…………が。


うっかり見返したりしたものだから、スルーしていた細かな疑問点が復活☆(自爆)
解らないことをアチコチ調べ回ったりしてまたズブズブと想像の海に突入ですよ。
いい加減この作品に振り回され過ぎです私。 誰か止めてあげてこの俺を(無理だ)

……自分でも相当にしつっこいなぁと思うので。 ざーっと書き殴って終わりにします。



改めて気になってしまったのは物語最後、重傷を負った義弟に対する宮様の台詞。
「私はただお前たちが穏やかに暮らしていける場所を護りたかっただけなのだ」
かしちゃんの切実な叫びと相まって、直球で胸に刺さってくる大好きな台詞ですが。

――― その、 “お前たち” の中に、なにゆえ中納言が入っているのだろう?

だって、すっかり忘れてたけど、中納言て 「他所の家のヒト」 ですよね?


そもそもがこれは観劇当時(つまり2005年)(2年前!)からの疑問なのですが。
元服して自分の家を継いだ筈の中納言は、何故にいつまでも宮家に縛られているの?
自分の家を継いでいるってことは、宮家にしてみれば赤の他人になると思うんだが。
他所の家って単純に考えて、ライバル以外の何者にもならないと思うんですけどねー。

それでも。 中納言が式部卿宮を、未だに “お兄ちゃん” として見ているのは
式部卿宮に対する敬愛や罪悪感なんかも絡めて考えればまぁ一応納得できるのですよ。
むしろ疑問なのは、中納言をいつまでも “弟扱い” している式部卿宮の方。

宮家とは違う、別の家を継いでいて。 血も繋がってない、一緒に住んでる訳でも無い。
いくら義理の弟とはいえ、そこまで条件揃ってたらもう赤の他人だと思うのですが。
そういう “義弟” をいつまでも自分の下にいる者として見ている、その理由が解らない。
いつまでも自分と同じ場所で穏やかに暮らしていくものと考える、その根拠が解らない。


確かに最初は、そういう気持ちが始まりだったと思うの。 初めて将軍家に赴いた時。
家と家族を護りたい一身で己の身を犠牲にする覚悟を固めたんだと思う。 それは解る。
でも。 その気持ちをずっと引きずっているにしても、中納言が宮家を出た後でも
中納言を他所の家の者ではなく、むしろ実の弟みたいに扱っているのは、ちと不思議。

てか、実の弟みたいにってのも違いますよね。 実際の兄弟関係はもっとシビアだもの。
家を継ぐのは男子ひとりだから、男兄弟が仲良くやってくのは難しい時代だと思うし
家制度が薄い現代も、よほど歳が離れていない限りは護り・護られなんて関係にならない。




――― ここでちょっと、当時の 「家」 というものについて考えてみますと。


室町幕府は武家政権ですが、中納言の家や宮家は武家でなく公家なんですよね確か。
公家は基本的に朝廷に仕える身である筈ですが、式部卿宮の勤務先は主に将軍家。
私の憶測ですが、これは恐らく宮家に南朝の血が流れているせいなのではないかと。
当時は南北朝時代なので、朝廷つまり帝は北朝と南朝に分かれている訳ですね。
で、本筋は北朝の方にされているので南朝(二宮達)は虐げられているような立場。
宮家は南朝の血が流れる故 「有って無いように扱われてきた(By.宮様)」 ので
本来は朝廷に仕えるべき宮家なのに、北朝から遠ざけられているのではないか、と。

一方の中納言も公家ですから、こちらは多分、朝廷に仕えているんだと思います。
……が、そう考えると第二部での中納言が南朝側に付いている説明がつかない(爆)
もしかしたら未だにおにーちゃんに養われている可能性も有る、のかもしれない。
(だとすれば弟扱いは納得ですね)(他家を養っているという新たな謎は増えますが)
或いは、きちんと北朝に仕えていながら、単に忠誠心が薄いだけかも(嫌な部下だ…)


家のことを持ち出して何が話したいのかと言いますと、描かれていない背景です。
自身に僅かな南朝の血が流れる故に、北朝に仕えることが叶わないでいる宮様。
彼が将軍から呼び出しを受けた時、自分が護らなければならないと思った家と家族。
その家族の中には中納言がいた訳です。 でも後に中納言は宮家から出て行く。
自分の家を継ぎ、朝廷に仕えている…かどうかは、語られていないので解りませんが
実際北朝に仕えようと思えばいつでも仕えられる立場であることは明らかですね。
式部卿宮と中納言という義兄弟は、血や家のみならず、立場でも隔てられている筈。
南朝の血を引いていない中納言に対し、宮様がある種の羨望を感じてもおかしくないし
中納言にしてみれば、そういう義兄に護られたことが引け目になっていても極々自然。


中納言が宮家から離れられない背景には、こういう事情も含まれてるのかな、と。
「家」 のことについて気になったのでちょっと調べてみて、再確認したんですけども
やっぱり解らないのは、式部卿宮様の方。 彼は本当に何を考えているんだろう。
てか、中納言をいつまでも傍に置いておくなんて、そんなことできると思ってたのか?




物語に戻りますと。 家族揃った穏やかな時間も、変わっていくものだということ
宮様は、理解していない訳じゃないんですよね。 少なくとも妹達に関しては
大君の入内を考えていたくらいなので、いずれは嫁いでいくものだと知っている。
本当に宮家のことを想うなら先ず考えなくちゃいけないのは自分の結婚だろうに。
(だって子どもがいなきゃ家自体が存続しないじゃないか!)(超基本的な問題かと)

宮様が中納言を傍に置いておくことのメリットって一体何処にあるんでしょうか。
血も繋がらない、むしろ自分と違って南朝の血が流れていない、遵って疎まれていない、
そんな羨ましい立場(なんじゃないかな)に在る義弟を手の内で護り続けるメリット。


北朝の側にいる義弟を “下に” 見ることで、優越感と満足感を得ていたのか?
……なんってのも考えてみたんですけど、コレも私が勝手に膨らませて考えたことだし。
以前に考えていた、宮様にとって中納言は子どものような存在だから、ってのも
自分的にツボな解釈ではあるのですが(笑)それにしては執着が強すぎる気もしてきた。

だってだって。 傍に置いといて、それからどーする気だったんだ!! …と(爆)
大君も中君もいつかは何処か他所の家に嫁いで、宮家からは離れていくのに。
護り続けた家の中、ふたりだけで残ってずっと、篭っているつもりなんだろうか?
(イヤ、一緒に住んでない筈のふたりですけどもね)(比喩ですってば、比喩!!)


式部卿宮様が中納言(を傍に置いておくこと)に拘り続ける、その理由が
愛してるから。 としか考えられないこの脚本はどう解釈したらいいんだろう。




……という風に私は感じて、2年の時を経てまた頭を抱えてしまった訳ですが。



でも。 ちょっと考えてみたら、まぁそれでもいいのかな、と思えてきた。

だって中納言も宮様のこと、 めちゃくちゃ愛しちゃってる みたいだし(笑)



吉野が攻められ、楠木二郎が、菊理御前が、狐達が、二宮が死んでしまった時。
中納言は義兄を責めないんですよね。 兄上は間違っておられます、とは言うけど。
でもその前に、兄を止めずに黙って見ていた自分に対する報いだ、と言うのね。
観劇当初はあまり気にしなかったと言うか、深読みしなかった台詞なんですけども。

責められないんだな、と思いました。 今回は。 なんでか、強くそう感じた。

宮様のしたことが間違っていると解っているのに。 酷いことだと解っているのに。
目の前で大切なひと達が次々に死んでいったのに、中納言は義兄を責めない。
たぶん、愛しているから、だと思うんですよ。 愛しながら憎むこともできるのに
愛しているから、そのひとを責められない。 そのひとを責められないから、自責する。

もしも中納言が死なずに済んで、宮様が彼を都へ連れて帰ることができたとしても。
中納言は自害してしまうんだろうな、なんて、そんなことをぼんやりと考えてしまった。
すべての責任を宮様に押し付けて責めて、そうした方がよっぽど楽だと思うんだけど
きっと中納言にそれはできないから。 義兄を責める代わりに自分を責め抜いて
そして、義兄の目を盗んで自害しちゃうんじゃないかなって。 私はそう思いました。



なんか、改めて考えてみると、すんごいお話なんですねコレ。

式部卿宮は義弟を愛しすぎて死に追いやっちゃったよーなもんだし
中納言は義兄を愛しているゆえにその死を受け入れちゃったよーなものだ。

……あ。 「愛」 「愛」 と連呼してますが、人間愛ですから!!(超今更)




ま、どんな愛にしたところでどのみち 重すぎる ことに変わりは無いですが。

こんな脚本書いた大野君もチャレンジャーだが、演じきったカシコムもどうなの、と。



ナガさんの楽挨拶中、後ろで顔見合わせて笑い合ってるバカップルばんざーい(爆)




スポンサーサイト
【2007/08/14 00:02】 | かしこむ想ひ出語り。 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
<<4回目の 『レミゼ』 観劇終了。 | ホーム | たからづかクロニクル2006(雪組)の話。>>
コメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2007/08/16 00:51】 | #[ 編集] | page top↑

>Mさん。

こんにちは。 ここでお話するのはお久しぶりですね♪
コメントありがとうございました。
こんな超自己満足の記事にお付き合い頂けて嬉しいです!!

ええ、私も一番のテーマは 「輪廻転生」 だろうなと思います。
けれど家の話は物語中に頻繁に出てくるように思えたので
ただ解釈の手助けにするべく、色々調べてみた訳なんですが
(如何せん国史に弱いので調べないと何も知らない私)(………)
うーん、大野センセはどこまで考えて書いたのかなー? と。
何も考えてない訳は無いと思うんですよ。 よく調べてあると思う。
ただこのお話、史実の中にフィクションを織り込んでいる形で
(否、フィクションに史実を取り込んでいる、が正しいでしょうか)
登場人物も史実のひとと架空のひとと、混在してるんですよね。
これを単なる歴史ファンタジーと捉えていいものなのか…。
時代考証が、大野センセの中でどこまで成されていたのかが謎で。
物語中に説明が無い部分はスルーして良いのかもしれませんが
私には “義兄弟” というスタンスがどうにも理解しづらかったので
調べ物して、考えていた訳なんですけど…難しいですね(苦笑)

そもそもが日本の歴史って天皇家と幕府の対立が続いてるので
どこを取っても難解なんですけどね(大政奉還万歳)(イキナリ何)
……あ、でも確か大君は 「帝に入内」 と言われてたので
てっきり朝廷に入内する予定だったものと私は思い込んでました。
将軍家を 「帝」 と呼んでた時代もあったんだったかな…?
すみません。 本当に、国史にはサッパリ弱い私なのです(自爆)

実はその、作品を超えた転生論、私も考えてました!!
嗜好が合致して嬉しい限りです。 VIVA すれ違うふたり☆(違)
でも、 「まだ飛んでいる」 ってのにはちょっと驚きましたです。
それは考えておりませんでした。
……また興味深い考察をされてるみたいですね?(ドキドキ)

Mさんのご考察、是非ともまたお聞かせください!!
いつも、私が考えても考えても及ばないところまで発掘されていて
すげえ!!と思いつつ(ガラ悪いな)楽しく読ませて頂いております♪


【2007/08/16 16:04】 URL | トマ #-[ 編集] | page top↑
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2007/08/17 01:21】 | #[ 編集] | page top↑

>Mさん。

いえいえ、こちらこそ読みごたえあるコメント戴きまして!!
とっても嬉しいです。 張り切ってレス書いております☆(大迷惑)

Mさんの解釈をお聞きしまして、また色々と考えてしまい
『ねむつき』 記事がまたひとつ増えました(爆) 性懲りも無いです…。
義兄弟の契りって、精神的婚姻みたいなものなんじゃないかと。
私は勝手に、宮様と中納言は戸籍上のみの義兄弟かと思ってたのですが
(この時代に戸籍…?)(や、公家さんならあるでしょうきっと!!)
もしかしたらそれとは別に、一個人同士で契りを交わしてたかもしれない。
または、きちんとした “義兄弟の契り” を交わした訳ではなくても
お互いに意識の中では、そういう認識を持っていたかもしれないな、と…。
そう考えてみるならあそこまで想い合っているのも納得ですよね。
想いの強さゆえ、すれ違った結果もあれほど大きくズレてしまった
私にはそんな風にも思えるのが切ないですが。 本当、心に響きますよね…。

その公演は、私は未見です。 DVDも…欲しいなぁとは思ってますが
恐くて買えない(爆) 何が恐いのか自分でもよく解らないんですけども。
でも、気にはなっているので、落ち着いたら必ず見るつもりです!!
その台詞は…シルバ@ 『銀の狼』 の台詞でしたね、確か。
確かに、きっと根底に流れている想いは同じなのだろうと思います。
深いですよね…ハリーも、オギーも、こっそりと仕掛けることが(笑)

サイトの方は、知ってはおりますが見に行ったことはございません。
カシコム画像だけはお客様からご紹介戴きまして拝見しましたが
如何せん、見た時期が悪くて(確か 『堕天使』 公演中だったのですよ)
気持ち的に直視できなくって大変でした(苦笑) ヘタレです私。
どうやら私の知らない掘り出し物も、まだ沢山あるみたいですね~♪
ご紹介ありがとうございますです。 今度、発掘に行って参ります(笑)


【2007/08/17 16:04】 URL | トマ #-[ 編集] | page top↑
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://toma723kanon.blog50.fc2.com/tb.php/216-2dd0a79e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。