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男はロマンを、女は現実を。@花組 『明智小五郎の事件簿-黒蜥蜴』 感想。

例によって超主観的な感想です。 大したことは書いてない(笑)


今回は主に、明智君と黒トカゲの恋愛と言うか兄妹愛と言うか、について。
作品については、貶してはいないけどとりたてて誉めてもいません(爆)




男は妻に処女性を求める、とかなんとかいう話を随分前に聞いた覚えがある。

処女性って言うか、要は妻にとっての自分が “最初の男” であって欲しい願望ね。
「男はアナタしか知らないの」 ってのは世の殿方の究極的なロマンらしい。
勿論、全員が全員じゃないと思いますが。 ただそういう男性も確かにいるって話で。
で、私は思っちゃった訳ですよ。 キムラ氏はきっとこのタイプなんだろーな、と(笑)


男性の演出家さんが作品を作ると、特に。 恋愛観・女性観が如実に現れると思う。
イケコの作品ではいつも主役カップルの恋愛していく過程がはしょられるように。
イシダの作品ではいつも最後は男に黙ってついていく女、な構図で締められるように。

私には、キムシンが、性的な行為を特別なものとして描くことが多いように思える。

『スサノオ』 ではアオセトナがイナダヒメをムリヤリ乱暴しようとするシーンがあった。
あの場面はスサノオが再登場するきっかけとなる、ヤマ場のひとつと言える強調箇所。
『炎にくちづけを』 ではマンリーコとレオノーラが一晩を共にした、その後で
レオノーラが “婚姻前に結ばれたこと” に対しての喜びを歌うナンバーまであった。

今回の公演では娘役2人、黒トカゲと葉子のそれぞれに、処女性を主張する台詞がある。
黒トカゲは通りすがりのオジサン(=明智君)に 「まだ男も知らないの」 と話し、
葉子は雨宮に逆プロポーズする際、 「これでも身持ちは固いのよ」 てなことを言う。
……私は勝手にこの辺に、キムシンの “女に対するロマン” を見てしまうんだが(苦笑)



と、言うか。 キムシンもたいがい、 “女性” に対して夢見がちと思うのですが
ロマンチストという点では明智君もいい勝負かもしれないな、とも思う訳です(笑)



『黒蜥蜴』 をムラで初見した時、私は主役ふたりが兄妹ってことにまず違和感一杯で
それはオサあやねというコンビに “兄妹” って設定が合わないせいだ!! と
勝手に結論付けてまとめておいた訳ですが、通算3回観てようやく気づいたことが一つ。
相手を “きょうだい” だと認識しているのは、黒トカゲの方だけですよね?
真相を知った時、黒トカゲは明智さんをお兄ちゃんなんだ、と認識しているけれど
明智君の方は、黒トカゲが実の妹なんだと知っても妹として扱ってはいない気がする。

―― 黒トカゲを喪った後のあの慟哭は、だって、どう考えても “女を喪った男” 。

明智君が黒トカゲを “妹” と見なしていたならば、私の愛が彼女を追い詰めた、なんて
そんな風には言わないと思う。 僅かでも、愛したことに禁忌を感じる筈だと思う。


黒トカゲが明智さん=実の兄、ということを知って、それでこそのあの結末だけども
もしも、彼女が死を選ぶより早くに明智君の方が真相に気づいていたとしたら。
「結婚できなくても傍にいればいい」 、そんな風に言う気がするの。 明智君は。
なんて言うか、ハッキリ言うと、兄妹で愛し合うことに禁忌を覚えなさそう、と言うか
そこに黒トカゲと明智君との恋愛観の違い、想いの違いがあるように思えるんです。

黒トカゲが何故、死を選んだのか。 明智君は本当に理解できているんだろーか。

黒トカゲは。 明智さんと結婚できないから自殺した、て訳では無いですよね多分。
兄妹であると知った明智さんの愛が、自分から離れるのを恐れたんじゃなかろうかと。
自分が妹と解ったら、明智さんはもう “女として” 自分を愛してはくれなくなる。
それに自分自身が “女として” 抱いている明智さんへの愛も、決して成就しなくなる。
黒トカゲに死を選ばせてしまったのは、その辺りの事情なんじゃないかなと。 私は。

けれども 「私の想いが彼女を追い詰めた」 なんて歌っちゃってる明智君の方は
“男女として” 愛し合えないなら、愛し合える今のうちに自らの命を絶つことを選んだ
そんな黒トカゲの想いを最後まで理解はできなかったんじゃないかな、て気がする。
そもそもが、兄妹の絆の証である独楽を投げ捨てるという明智君の行動は
兄妹であることを否定する、或いは拒絶するのと同義なんじゃないかと思うのですが。


別にね。 妹が妹であることを否定し、理解できなかった明智君が良くないとか
そういうことを言いたい訳じゃなくて。 ただ、これが男女の違いなのかしら、と。
大学時代に所属していた男性だらけのサークルで、男の先輩から聞いたことですが
男は好きな芸能人によく似た女の子を彼女にしたがりがちだけど、女はそうじゃない。
ジャニーズファンの女の子でも、彼氏は全然ジャニ顔じゃないとか(笑)そんな話。
失恋とか、初恋の思い出なんかも、長々とひきずるのは案外、男の方に多いとか。

“愛” に夢を見るがゆえに、黒トカゲが妹である事実から目を背ける明智君。
“愛” に夢を見られないからこそ、明智さんが兄だという現実を直視した黒トカゲ。
このふたりの差異、すれ違いが、ラストの悲劇へと繋がっていってしまったんだと思う。
…………私が勝手に理解した 『黒蜥蜴』 は、そんな物語。



しかし、少し気になってしまうのは、コレ↑をキムシン自身は狙ったか否かということで。
私にはどうにもコレ↑が、キムシンの狙いではなく偶然の産物のよーに思える(苦笑)

明智君と黒トカゲとの間に横たわる、想いの違い。 “愛” に対する考え方の違い。
コレが、キムシンが男女の性差とか諸々を考えた末に作り上げた設定ではなくて
“兄妹愛” の描き方が甘かったから結果的に現れてしまった差異に見えるんですよ。
明智君がロマンチストだから黒トカゲ=妹である事実を受け入れられなかった訳でなく
愛する女性が妹と知った時、男性が何を思うのか。 その考察が甘い気がするんです。



似たようなことを、雪組の 『DAYTIME HUSTLER』 観劇後に感じた覚えがあるのですが。
あの作品はいかにもイケコらしく、主役カップルの恋愛過程が潔く省かれてましたが
それ以上に私が気になったのは、 “三角関係” の描き方があまりに安易だったこと。
ヒロイン・シルヴィアは婚約者がいるにも関わらず、主人公との恋愛に走ってしまう。
その婚約者・トニーも浮気してるので、客観的に見れば “お互い様” てことなのですが
問題なのは、その時点でのシルヴィアが、トニーの浮気を知らないってことなんです。

客席は総てを第三者的視点から見られるけど、登場人物達はそうじゃない訳で。
シルヴィアはトニーに浮気されて傷ついた末に自分も浮気に走った、のではなくて
トニーの浮気とは無関係に、トニーからローリーへと心変わりしたことになる。
これだとシルヴィアの浮気という罪に対し、トニーの浮気が情状酌量と成り得ない。
……私個人としては、申し訳無いけど、こういうヒロインには共感出来ないっす(苦笑)


“三角関係” を設定のメインに据えるなら、3人それぞれの立場に立って考えないと。
しかも主人公がヒロインを 「奪う側」 ってことは端的に言うと略奪愛なんですよ。
奪う側にも、奪われる側にも、それ相応の共感 or 同情できる理由が必要と思います。
略奪愛は必ず誰かを不幸にするもの。 だからこそ、描く側にもそれなりの覚悟が要る。
単なるメロドラマのネタとして、軽々しく扱って良いものじゃないと思うんです私は。


で、今回の 『黒蜥蜴』 に対しても、同じようなことを感じてしまった訳なのですよ。
兄妹愛とは言ってしまえば近親相姦。 安易に扱ってしまってはイケナイ設定だと思う。


明智君が黒トカゲを妹として見られないことを、いけないと言っている訳ではなくて。
ただ、明智君が最後まで黒トカゲのことを “愛する女性” としてしか見られないことが
物語の中でどんな意味を持つのかよく解らない、伝わってこないのが如何なものかと。
最後、黒トカゲのことを当たり前のよーに “女として” 扱い、慟哭する明智君の姿に
いち観客として何を感じたら良いのか、何を訴えられているのかが私にはよく解らない。

なんてゆーか。 キムシンは別に、 “兄妹愛” をどうしても描きたかった訳じゃなくて
ただ盛り上げようと思って、或いは、主役ふたりが結ばれないあの結末を作るために
軽い気持ちで “兄妹愛” という設定を “ネタとして” 盛り込んだ、そんな感じがするので。
それが少し残念と言うか、私が初見で違和を感じたいちばんの理由だったのかもしれない。
反戦の主張も結局、中途半端ですしね(苦笑) いっそエンタメ系に走れば良かったのに。



……と散々に苦言を呈しておいて今更ですが、それでも結構、好きな作品ですけど(笑)


明智君のキャラはオサさんにピッタリだと思うし、あやねちゃんの女賊もかわいーし、
他キャストも皆ハマってるし、脚本はともかく(こら)演出は妙な迫力が私的にツボだし。



今日の公演でひとつだけ難を言いますが、アドリブのやりすぎは良くないかなぁと。
黒トカゲの車を追跡する場面で明智君と波越君が車の運転を交代したのですが
……うん、おもしろいんだけどね。 でもそれ、現実的に無理だから☆(笑顔)
プロの演技者である以上、舞台上ではその作品を忠実に伝える義務があると思います。
作品世界を壊す…とまでは言わないけど。 でも客を現実に引き戻すのはイクナイ(笑)

アドリブってのはそもそもが、リピーターさん向けなんですよね。 特にタカラヅカでは。
だから千秋楽のアドリブ三昧は仕方無いと思うし、今日もまぁ、楽日近いんですが。
でも、楽日近いけど、楽日じゃないから。 一見さんが来られている可能性も十分だから!
初見の方に作品世界とそぐわないアドリブをお見せしてしまうのは、どうなのかなと。
ま、コレも観客としての私の勝手なコダワリってだけですから。 これ以上は言わない(笑)



―― でも何だかんだ言って、観れば観るほど面白くなってくる作品でありました♪



因みに今日は、黒トカゲに想いが通じ、 「抱きしめて」 と言われた時の
明智さんの抱きしめ方にときめきました。 だって、あまりにやらしーから!!(爆)

ちょっといやらしくて(笑)でも、すっごく優しかった。 そんなオサあやねに激萌。




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【2007/05/09 00:18】 | はなぐみ観劇日記。 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
<<運命はひそやかに忍び寄る。@花組 『TUXEDO JAZZ』 感想。 | ホーム | 心地良い疲れ。>>
コメント
はじめまして。
仕事中に波乗りしていて辿り着いた者です。(←働け)
ワタクシも最近、明智My楽を迎えまして、
色々と自分の中で頭を整理している時にブログを拝読し、
なるほど!と膝を打たせて頂きました。
黒蜥蜴の自殺の意味、明智の慟哭の意味って、
日によって感じ方が違ったので。

また寄らせていただきます!
【2007/05/09 12:57】 URL | みつよ #EBUSheBA[ 編集] | page top↑
お久しぶりです!こちらムラでは雪組エリザが始まり、2年ぶりの懐かしい音楽に満ち溢れています♪

うーん、わたしは感覚的にしか受け止めないので論理的に考えたりするのは苦手なのですが、明智は黒トカゲの気持ちは全て察していると思います。
「忘れられない」ってよくできた歌で、黒トカゲのことをこの歌の中でだけ「あいつ」と呼ぶんです。それまでは「あなた」と呼んでいるのに。その違いはやっぱり妹だと気づいたからだと思う。「その愛ゆえあいつを死に追いやったとは」って、言ってますけど愛した女性でもあるし、妹でもあるし。けれどやっぱり妹の比重がおっきいのかなって思うのは「あいつ」って呼んでいるから。
黒トカゲはそりゃあお兄ちゃんだとわかれば死ぬしかないでしょう、もちろん禁忌を犯してしまったこともあるけれど、「君だけを待っているから」というプロポーズの歌詞も夢物語にしか過ぎなかったと彼女は気づいたわけですし。
それがわかったからこそ明智には自分のために人生を犠牲にしてほしくなくて「生きて、自分を責めないで」と遺言を残したんじゃないのかなあ。
「コマがなんだー!」も最初はわたしもなんだ、このセリフは!って素で思ったけれど(笑)回数重ねると驚くほど泣かす台詞になってました(…)
でも相変わらずトマさんの読解は独特で面白いですね。新鮮に読ませていただいてます(笑顔)
【2007/05/09 19:33】 URL | おりん #-[ 編集] | page top↑

>みつよさん。

こちらこそ、はじめまして。
お初のコメントありがとうございました♪

いやいや~私の感想はいつも一般論から外れているらしいので
あまり信じすぎないでくださいね。 100%主観 only です(爆)
明智さんの慟哭と、それから黒トカゲの自殺の意味。
私も3回観て3回違う感じ方をしたので、たくさん考えさせられました。
で、自分の中でなんとか3回分の真ん中を取ったのがこの記事です(笑)
キムラ氏は兄妹愛を描く上で安易に扱いすぎかな、と思いましたが
オサさんとあやねちゃんはこの “恋愛” に真摯に向き合われてましたね。
だからこそ私も観劇の度に色々考えて、益々好きになっていきましたし。
本当におもしろい作品でした。 花組万歳!! …という気分です(笑)

ところで、ブログの URL ありがとうございました(深々)
先ほど早速遊びに行かせて頂きました♪
ショーの方、どこぞで叩かれていたなんて知りませんでしたよ~。
私は大大大好きだったのですが。 十分タカラヅカ的でしたよね?(笑)

当ブログは常に好き勝手・言いたい放題な記事ばかりなのですが
こんなところでよろしければ、いつでも遊びに来てやってください♪
私もみつよさんのブログにまたお邪魔させて頂きますね。





>おりんさん。

ここではお久しぶりですね。 いらっしゃいませ!!
……とか言いつつ、私は時々そちらにコッソリお邪魔しておりました♪
最近では “組ファン” として勝手に共感してしまう部分もあったり(笑)
組替えってやっぱり複雑ですよね。 嫌なことだとは思わないのですが。

おりんさんの明智論、とても興味深く拝読致しました。
私も最後の歌で呼び方が 「あいつ」 だったのは少し気になりました。
でも、……えーっと、私の覚え違いだったら申し訳無いんですけど、
劇中でも明智さんは黒トカゲを 「あいつ」 と呼んでいた気がしたので
その辺に深い意味は無いのかな~と聞き流してしまいました(苦笑)

なんて言うか、作品に対する改善論は本当は好きじゃないんですけども。
明智さんの黒トカゲに対する想いを、 “男として” と “兄として” と
両方から描きたいのであったら、あの脚本では甘いような気がしたんです。
明智→黒トカゲの “兄として” の想いを客席に伝えたいのであれば
冒頭のような過去の記憶を、明智の側からも出して見せるべきだったかなと。
黒トカゲにとっての “お兄ちゃん” は冒頭の夢から感じ取れるのですが
明智さんにとっての “妹” は、彼自身の口からろくに語られていないので
「妹がいる」 という設定自体が、ぴんと来なかったんですね。 私には。
(私もこの辺は本っっ当に感覚論ですよ…)(論理で考えるのは私も苦手です)

ラストの明智さんには、妹を喪った哀しみも確かに有るように見えました。
ただ、彼の中で “妹” と “愛した女性” が合致していない気もしたんです。
それが私には兄妹愛が見えなかったいちばんの理由だったかな、と思います。
…という訳で、私も相当に感覚観劇ですね。 理屈は常に後付けです(爆)

同じものを観ても違う受け留め方になるのが、観劇の面白いところですね。
おりんさんの感じ方も解釈も、絶対に間違っていないと思いますし。
でも私自身の解釈も、私の中では絶対に間違ってないし(うわ)(なんて奴だ)
それにオサさんの演じ方も、私には、ですが。 観る度違う印象でした。
だから私もこんなに頑張って無駄に長い記事ばっか書いちゃったのですが(笑)
私は本当に気まぐれなヤツで、気分が乗らないとろくに感想書かないので
相当にこの作品を気に入っていたんだろうなぁと(歪んだ愛ですけど)(……)

て言うか無駄に長いコメントレスになってしまってすみません!!
書いていたら止まらなくなりました。 ルサンクが欲しくなりました(爆)

こちらこそ、おりんさんの解釈、新鮮に読ませて頂きましたです♪
またブログの方にも遊びに行かせて頂きますので、よろしくお願い致します。
……因みに 「コマがなんだ!」 は我が家の流行語になっとりますよ(笑)


【2007/05/09 22:32】 URL | トマ #-[ 編集] | page top↑
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