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あの、醜くて美しい世界が。@花組 『TUXEDO JAZZ』 感想。

3月頭にムラ遠征して観てきて以来、どうにも感想がまとまらず
何も書けないまま放置してたのですが突然に天啓が降りた(笑)ので。


公演語りと言うよりオギー語り(爆) とっても主観的な感想です。




オギーの作品が大好きです。 綺麗で、可愛くて、毒々しくて残酷で。
『パッサージュ』 も 『バビロン』 も 『タランテラ!』 も、どれもツボで
数少ない芝居作品である 『螺旋のオルフェ』 『マラケシュ』 も大好き。
先日は 『聖者の横顔』 の脚本を読み、舞台は未見なのにこれもドツボでした。

でも、当たり前なんですが、私の中でランキングのようなものもある訳で。

特に好きなのは 『螺旋のオルフェ』 と 『タランテラ!』 です。 この2作は別格。
『バビロン』 も好きです。 映像でだけど、初めて見た時の衝撃は忘れられない。
逆に 『ロマンチカ宝塚』 はオギー作品の中では比較的印象が薄かったかな。
……あくまで比較論ですが。 私はオギー中毒なので、どの作品も大好きですから!


で、 『TUXEDO JAZZ』 ですが。 私の中では、どちらかと言うと 『ロマンチカ』 寄り。
いかにもオギー好みな感じの(笑)可愛くて、でもどこか毒々しいショー作品。
勿論、大大大好きです。 ……でも 『バビロン』 初見時ほどの衝撃は無かった。

なんでなんだろう、ってずっと考えてて。 ようやく天啓が降りた訳なんですが(笑)

たぶん。 この作品が、リアルでなくファンタジーの世界を描いているからだと思う。


超私的な見方ですが。 オギーは “生と死” をとても厳しい目で見つめてる気がする。
『タランテラ!』 で、タランテラ@コムちゃんが蝶@マコたんと恋に落ちて
けれど蜘蛛としての、蝶を食らって生きる本能からは決して逃れられなかったように。
或いは 『バビロン』 で男@タータンが、瀕死の鳥@かよさんを助けなかったように。
もしくは 『アルバトロス、南へ』 の中で唯一作品と同じタイトルを持った場面で
兵士@コムさんが少女@いづる姫の命の上に、自分の生き延びる糧を見つけたように。

オギー作品の持つ “痛み” って、生きていく上で逃れられない矛盾、ていう気がする。
誰かとしあわせになりたいのに、誰かをしあわせにしたいのに、共に生きていきたいのに、
そう出来ない矛盾。 生きている自分が立つその下に、誰かの “死” がある矛盾。
自分が生き延びる本能のために、誰かを犠牲にしたり、助けられなかったりする矛盾。


そもそもが人間ってのは、道徳を説きながら他の生き物を食べて生きてくものですから
その上に逃れられない矛盾が発生するのはもう因果と言うか。 仕方無いことなんですが
そういう、誰もが目を逸らしたいものを、オギーは正面から見つめてる感じがする。
たとえばキリスト教では生き物を食べることを、家畜=食べられるために生まれた物、と
そう定義することで矛盾を回避しているけれど(勿論、それが間違いとは思いませんが)
オギーは矛盾を回避することを、否定はしないけど良しともしていないように私は思える。

そして、そういうものを描く舞台はファンタジーではなく、リアルである必要がある。
でも私には 『ロマンチカ』 と 『TUXEDO JAZZ』 はファンタジーだと感じられたんです。
だから良くないとかいう話では無く。 むしろ、ファンタジー世界だからこそ
オギー独特の “痛み” が軽減されて、他作品より一般向けになってる気もするんです。




何分、一度しか観ていないので。 私もまだよく解っちゃいないんですけども
『TUXEDO JAZZ』 の中心軸はオサあやねのすれ違いラヴ(笑)なのかなと思ってます。
だってこのふたり、舞台上で全然会わないんだもの。 隣りに並ぶことが無い。
ちゃんと絡むのは中詰めとフィナーレの、物語からは少し外れたとこにある場面だけで。

まとぶ君はオサさんの対と言うか、対極と言うか、敵と言うかライバルと言うか、で
まっつ君が 『タランテラ!』 で言うところのキム君ポジションかと思うのですが
まとぶ君やまっつ君の方が、舞台上ではよっぽどあやねちゃんと絡んでた気がする。
オサさんはむしろ、……みわっちと絡んでたよな、あやねちゃん〔B〕みたいな(笑)


ちょっと、コムちゃんのサヨナラショーを思い出しました。 このすれ違いっぷりに。
手を伸ばせば届くほど近くにいるのに、お互いの存在を認識出来ないコムまー。
すれ違いってのはオギーの大好きなテーマなんだろなと、個人的には思うのですが
でもあの世界もファンタジーで、だから “痛み” は少なかったような気がしたんです。

『ロマンチカ』 も、今思い返すとそうだったのかなと。 水鏡に映った、向こう側の世界。
今回の 『TUXEDO JAZZ』 もそんな感じ。 鏡に映った向こう側の世界、みたいな。
……と言うかオサさんとあやねちゃんが真逆のパートを担当してるように見えるんです。
オサさんが陰で、あやねちゃんが陽。 だから困難が降りかかるのは常にオサさん。
皆に翻弄されたオサさんが苦しんでいる一方で、あやねちゃんはいつも笑ってる。
まとぶ君に肩を抱かれながら、近くにいるオサさんに全く気づかないの。 不自然なほど。

そういう、すれ違い続けたふたりが、中詰めとフィナーレだけで逢うことが出来る。
だからこそその一瞬が輝くし、…お預け食らってた分だけ、より美味しいんだけど(笑)


オギーが何を考えてるのかなんて、当たり前だけど、私には解らないんですけども。
でもなんとなく、 『TUXEDO JAZZ』 はオギーなりに “夢” を描いた作品なのかなと。
そりゃ他の演出家さん達の作品に比べたら、まだまだ、よっぽど毒々しいけど(笑)
けれどオギー作品の中では。 痛みの薄い、夢々しい世界を描いてるんだと思うんです。
(ま、あくまでオギー作品内での比較ね)(しつこい)(だってアホウドリとか痛すぎた…)




“痛み” の充満する現実世界と、それの軽減された夢々しいファンタジー世界と。
どちらをより好きだと思うかは好みだと思います。 どっちがより良い、とは言えない。
で、私は改めて言うまでもなく “痛み” に満ち溢れた世界が大好きなんです(苦笑)
『タランテラ!』 の歌詞にもちらほらあったみたいな、醜さ、浅ましさが大好き。
醜くて浅ましくて恐ろしくて、そういう世界だからこそ、一筋の光が美しく思えるの。


雪組全国ツアー公演 『銀の狼』 を初見した時、ちょっと意外に感じたんですよね。
ハリーが “絶望” で幕を下ろすことってすごく珍しいような気がしたから。
人を殺したことを悔いるシルバは、最後に更に、自分の大切なひとを死なせてしまう。
築いてきた死体の山の上にもうひとつ、重苦しい罪が重なる。 そんな幕切れ。
初期の頃にはハリーもこういう作品を書いてたんだなあって思いました。
今だってハリーは生きていく大変さ、辛さ、矛盾を描くことはあるけれど
それでも最後には必ず “希望” があるから。 光に溢れたラストを用意するから。


だから私は、ハリー作品も大好きだけど、中毒になるのはいつもオギー作品。
優しい光はあたたかいけれど、それ以上に “痛み” の快感が忘れられない(笑)



ほどよく毒々しく、それでいて可愛い、オギーの夢見る世界も大好きだよ。

それでもやっぱり、忘れられない。 私は “痛み” の中毒患者だから。
――― あの、醜くて美しい世界が、どうしても懐かしくて恋しくなってしまうよ。




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【2007/04/23 16:56】 | はなぐみ観劇日記。 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
生と死を厳しく見つめる目線。
生きていく上で逃れられない矛盾=オギーワールドの痛み。

・・・と言うトマさんの意見に激しく反応!激しく共感!
結果、我が別宅にてダラダラオギー語りしちゃいますた。
でも未だ今1つ書き切れなくて悩んでます(ぼそ)
(そんな事で悩んでないで仕事しろよって話ですが)
『螺旋のオルフェ』良かったですよね~♪
あれで私は観劇友達との宝塚に対する見解の相違を目の当たりにしちゃったんですが(爆)
今でも忘れられませんよ!!!!!
幻アデルを掻き抱いては・・・それが擦り抜けて行く幻と知って、
切なげに打ちひしがれるイヴ@マミさん。
どれだけ心の1番弱い所を鷲づかみにされて
どーにもならない宙ぶらりん状態に放り出されたやら(溜息)
あぁ又人様のブログでも語り始めてしまう・・・申し訳ない(汗)
撤退します!!!
【2007/04/25 00:03】 URL | 舞奈 #-[ 編集] | page top↑

>舞奈さん♪

共感して頂けて嬉しいです。 ありがとうございます☆

『螺旋のオルフェ』 は私の中で、ベスト1芝居作品です。 未だに。
上演当時はヅカを知らなかった私、ナマ観劇は出来なかったのですが(悔)
テープが劣化して画面の色が焼けるほどビデオ映像をリピートし、
最初と最後のイヴ@マミさんの独白を暗唱出来るくらい、脚本読みました。
もう、あの世界が好きで好きで大好きで……ここでは語り尽せません!(笑)
舞奈さんの仰る通り、心の一番弱い部分を鷲づかみにされますよね…。

……後ほど舞奈さんの別宅にお邪魔しますね(迷惑な予告)
そしてオギー語りを吹っかけたい(爆)です。 オギーが死ぬほど好きです(病気)


【2007/04/25 22:07】 URL | トマ #-[ 編集] | page top↑
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